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執筆者の写真坂本 慎一

『青天を衝け』第30回

渋沢栄一の父の市郎右衛門が亡くなりました。父の死去について、後年の栄一は詳しく回顧しています。栄一は家をつがなかったので、終生自分のことを親不孝だと言っていました。しかし栄一は、歴史に名を残すほどの巨人になり、父のことも、こうしてドラマで再現されて全国に存在が知られているわけですから、本人が言うほど親不孝だったとは思えません。

また、西郷隆盛と再会しました。栄一を含め、西郷と会ったことがある人は、西郷の人柄に魅了されたと述べています。栄一も、もしかしたら数回しか会っていないかもしれませんが、それでも西郷に魅了されたようです。西郷は不思議な人です。上野公園に行く機会があるときは、ぜひそんな人柄を思い浮かべて銅像をご覧になってください。

きょうの放送では、博多華丸さん演じる西郷は、戦争を起こす気マンマンでした。栄一はやがて官僚を辞めて第一国立銀行(現・みずほ銀行)を創業しますが、最初は苦難続きでした。結局は1877(明治10)年に西郷が起こした西南戦争による戦争特需で、事業は軌道に乗りました。ですので、今後のドラマでも、西南戦争は詳しく描写されると予想します。

西南戦争と言えば、ハリウッド映画の『ラスト サムライ』が有名です。主演のトム・クルーズさんが、ひたすらカッコいい映画です。映画では、戦闘が終わって新政府軍の兵士全員で土下座するシーンがありました。NHK大河ドラマでは、土下座のシーンがあるでしょうか。恐らくないと予想します。

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