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執筆者の写真坂本 慎一

『青天を衝け』第12回

渋沢栄一がついに家を出ることになりました。これから幕末の京都へ向かい、志士として活躍することになります。栄一はテロ未遂で、全国指名手配犯になってしまいました。指名手配犯になってしまったから、やがて一橋慶喜の下に逃げ込みます。指名手配犯が慶喜の家臣になれたのは、何といっても、堤真一さん演じる平岡円四郎に人を見る目があったからでした。

後年の栄一は、人と人を結びつける財界のフィクサーとして活躍します。本人ははっきり言っていませんが、この活躍は円四郎がモデルだったのではないか、と私は考えています。自分を救ってくれた恩人のマネをして、栄一は成功していくのです。

平岡円四郎は、慶喜に仕える前は「変物」と言われていました。「変人」の意味ではなく、「変革をより好む人」つまり「改革派」です。そこを見込まれて、慶喜の注意係「諍臣」に抜擢されました。みなさんの周りに、もし「変物」がいたら、思い切って抜擢してみてください。渋沢栄一並みの大物を釣り上げる可能性があります。「変物」と思って目をかけて「変人」だった場合は、変態ばかり集めるかもしれません。

堤さん演じる円四郎は、ひょうひょうとしていて自由人のようです。実際の円四郎は才気煥発、弁舌鋭利の人であり、栄一が言うには、ものごとの先が見えすぎるくらい見える切れ者だったそうです。そして先が見えすぎたので、長生きしなかったとも言っています。平田満さん演じる川路聖謨との会話で、お前こそ長生きしないとか何とか、その前振りがありました。

京都への道中、栄一たちは平岡円四郎の家来だと言って関所を通過していったそうです。平岡とは江戸に短期留学した際に出会っていたとのこと。ドラマでは第10回、山崎銀之丞さん演じる大橋訥庵のところで「草莽の志士になる!」と宣言した回ですが、平岡の出番はありませんでした。他にも、この短期留学で薩摩出身の人と仲良くなって薩摩弁を覚えたので、後に薩摩藩にスパイとして潜入することもやります(第15回放送?)。江戸への短期留学はいろいろな意味で役に立ったので、今後のドラマで「実はあの時・・・」という回収があるのか、それともないのか、注目したいと思います。

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