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  • 執筆者の写真坂本 慎一

『青天を衝け』第14回

渋沢栄一が徳川慶喜に仕官を申し出ました。このドラマの第1回の冒頭シーンの再現です。

栄一本人が後年言うには、慶喜が馬に乗って走っていくとき、馬に乗らずに一緒に走って行くだけだったそうです。つまり、実際には言葉は交わしていません。このときは、とりあえずその存在を示すのが目的であり、あとで慶喜に「ああ、あのとき走っていた者たちか」と理解してもらうための機会でした。ドラマでは、ここをカッコよく建言して最初の面会のシーンにしています。この発想を思いつかれた方には脱帽です。

慶喜の乗馬は、京都市の下賀茂あたりから「山鼻まで行程十町(=約1キロ)」だったと栄一は言っています。この「山鼻」は地名ではなく、「山のふもと」の意味でしょう。下賀茂からまっすぐ北に行ったとすれば、現在の下賀茂本通りを北上して2キロ弱で松ヶ崎西山のふもとにつきます。栄一は当時からすでに太っていたので走るのは難儀であったと言っていますが、馬と一緒に走るのはオリンピックレベルの選手でも難儀でしょう。

ともかく、これで仕官することが決まり、全国指名手配犯であった栄一は、ひとまず捕縛されずにすむようになりました。大規模テロ未遂は永尋(無期限捜査)の対象です。ドラマでは尾高淳忠が普通に出歩いていましたが、いや、彼こそ主犯格として捜査対象になってしまったはずです。このあたり、来週に描写があると予想します。

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