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  • 執筆者の写真坂本 慎一

『青天を衝け』第22回

渋沢栄一(篤太夫)がパリにやってきました。ドラマではあっという間のパリ到着です。船中では、フランス語の訓練を始めたのですが、あまり身に入らず、途中でやめてしまったと栄一は言っています。我慢強さが身上の栄一ですら、勉強が続かなかったというエピソードは、われわれ凡人には妙に励まされるものです。

栄一は、フランスを拠点としてヨーロッパには約一年半滞在し、その中でスイス、オランダ、ベルギー、イギリスも訪問します。私は『渋沢栄一一日一訓』を作成するとき、編集者から「フランスにいたのは正確には何日間ですか?」と質問されて困ってしまいました。出発と到着の日を半日として計算すると、


ヨーロッパ滞在=1年6カ月17日 そのうちフランス滞在=1年2カ月28日


と割り出しました。せっかく割り出したのに、『渋沢栄一一日一訓』では書く機会がなかったので、ここで披露させていただきます。

少し早いですが帰国した際に、栄一本人は「海外万里の国々は巡回したというものの、何一つ学び得たこともなく、空しく目的を失うて帰国したまでの事である」と書いています。結局この洋行は「何も学べなかった」というのが自己評価です。

一方、ドラマでは好奇心いっぱいに、多くの刺激を受けている様子が描かれています。「こんな洋行だったら渋沢栄一も楽しかっただろう」という姿を描いている感じでしょうか。現在はコロナで海外渡航が難しい状況なので、ドラマの栄一がいっそう輝いて見えました。

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