『青天を衝け』第22回

渋沢栄一(篤太夫)がパリにやってきました。ドラマではあっという間のパリ到着です。船中では、フランス語の訓練を始めたのですが、あまり身に入らず、途中でやめてしまったと栄一は言っています。我慢強さが身上の栄一ですら、勉強が続かなかったというエピソードは、われわれ凡人には妙に励ま...

『青天を衝け』第21回

渋沢栄一(篤太夫)がフランスに行くことになりました。ドラマの栄一は、フランス行きを何か光栄なことのように最初から受け止めているのは、面白いところです。実際にも栄一は、歩兵を集めたりして軍事にかかわり、欧米の方が軍事は進んでいることを何度も聞いていたので、フランス行きを引き受...

『青天を衝け』第20回

慶喜が将軍になることで、渋沢栄一(篤太夫)は、幕臣になってしまいました。元は倒幕の志士だったので、この時はとにかく自分の境遇が面白くなく、慶喜の家来も辞めてしまおうと決めていた、と後に語っています。 ここで『渋沢栄一一日一訓』の次の言葉を引きたいと思います。...

『青天を衝け』第19回

今週は渋沢栄一(篤太夫)が、藩札の発行など、一橋家の財政改革を行ないました。これについて、後年の栄一は改革の方向性を決めただけで任を離れたような言い方をしています。彼の経済観からすれば、すぐに成果が出たとは思っていなかったのでしょう。栄一の経済観とは、たとえば『渋沢栄一一日...

『青天を衝け』第18回

今週は渋沢栄一(篤太夫)が岡山へ兵隊を集めに行きました。後に本人がこのいきさつは詳しく語っています。自ら慶喜に拝謁を願って進言し、やがて見事に兵を集めることができました。いわば最初の大きな成功と言って良いでしょう。 後に栄一は資本を集める合本主義でもって実業を進めていきます...

『青天を衝け』第17回

最近、大河ドラマの話になると、「ここ数回で、がぜん面白くなってきたね、坂本さん!」と非常に褒められます。褒められて嬉しいのですが、私はドラマの制作には一つもかかわっておりません。そう説明しているのに、「いや、渋沢栄一は坂本さんが開拓した分野だから」と強引に褒められます。国会...

『青天を衝け』第16回

堤真一さん演じる平岡円四郎が暗殺されてしまいました。渋沢栄一は、この時の心境について「大いに驚愕嘆息を極めた」「実に失望極まった」と述べています。恩人が殺されてしまった悲嘆は想像するに余りあるものです。『渋沢栄一一日一訓』の次の言葉は、味わい深いです。...

「ビジネス書」と日本人 連載スタート!

この連載では、PHP理念経営研究センターの首席研究員である川上恒雄の著書『「ビジネス書」と日本人』(PHP研究所刊、2012年)の中身をご紹介していきます。 目次 まえがき 序論 日本人にとっての「ビジネス書」という存在 本論に入る前に 新渡戸稲造とマーデンの人気...

『青天を衝け』第15回

渋沢栄一が薩摩の家来であった折田要蔵のところへ、スパイとして潜入しました。後年の栄一は、このことを詳しく述べています。新参者だったのに、この役割に抜擢されたことを誇りに思っていたようです。『渋沢栄一一日一訓』の次の言葉を思い出します。...

『青天を衝け』第14回

渋沢栄一が徳川慶喜に仕官を申し出ました。このドラマの第1回の冒頭シーンの再現です。 栄一本人が後年言うには、慶喜が馬に乗って走っていくとき、馬に乗らずに一緒に走って行くだけだったそうです。つまり、実際には言葉は交わしていません。このときは、とりあえずその存在を示すのが目的で...

『青天を衝け』第13回

渋沢栄一が幕末の京都にやってきました。のちの回想によると、京都で最初に泊まっていた宿は「三条小橋脇の茶屋久四郎の家」「茶久という高等旅館」と述べています。まだ金銭感覚が分からず、今で言えば5つ星クラスのホテルに泊まっていて、あっというまに所持金がなくなってしまったということ...

『青天を衝け』第12回

渋沢栄一がついに家を出ることになりました。これから幕末の京都へ向かい、志士として活躍することになります。栄一はテロ未遂で、全国指名手配犯になってしまいました。指名手配犯になってしまったから、やがて一橋慶喜の下に逃げ込みます。指名手配犯が慶喜の家臣になれたのは、何といっても、...

『青天を衝け』第11回

体制転覆のための運動が取り上げられるようになり、いよいよ幕末モノらしい展開になってきました。渋沢栄一もテロリストになってしまって、これから幕末の京都へ行くことになります。 後の栄一が回想するには、テロ計画を実行する前に父の市郎右衛門と二人で夜通し議論をしたそうです。栄一はこ...

『青天を衝け』第10回

ドラマでは渋沢栄一が「草莽の志士」になると宣言しました。『渋沢栄一一日一訓』から一言引きます。 自分の利益を第二に置き、まず国家や社会の公益を考え、道理の命ずるままに働くのが志士たる人の務めである。(76ページ) 渋沢栄一は実業家として大成した後も、自分のことを「志士」と言...

『青天を衝け』第9回

井伊直弼が桜田門外の変で暗殺されました。井伊大老は敵を多く作りすぎたと後年の渋沢栄一は言っており、『渋沢栄一一日一訓』の次の一言を思い起こします。 なんの業を営むにせよ、人望ほど大切なものはない。(52ページ) 栄一は、井伊直弼をまったく評価していません。人望を得ることを無...

『青天を衝け』第8回

まず、先週「青天を衝け」という題名は誤訳ではないかと、NHKさんに問い合わせをした件をご報告します。その後、NHKさんから大変丁寧なお返事をいただいており、感激しています。題名の元になった漢詩について、渋沢栄一本人が詳しい解説をしていないので、決定的な意味は不明というスタン...

『青天を衝け』第7回

今回は渋沢栄一が長野へ行き、山に登って「青天を衝け」という題名の元になった漢詩をつくりました。登山によって吹っ切れた様子であり、今後の展開が楽しみです。漢詩も改めて紹介され、それは良かったのですが、残念ながら、やっぱりNHKさんの誤訳ですね。...

『青天を衝け』第6回

ドラマの中で竹中直人さん演じる徳川斉昭が、依然として強硬な攘夷論を主張し続けています。本当の斉昭は、要潤さん演じる松平春嶽あての手紙で、開国に向けて努力しなさいと言っており、内心では違う考えもあったようです。今後ドラマでも、斉昭の微妙な心の裏表が描写されないか、竹中さんによ...

『青天を衝け』第5回

NHK大河ドラマ『青天を衝け』を見て、渋沢栄一研究に長く携わる私こと坂本慎一が感想と解説を書きます。 今回は村川絵梨さん演じる渋沢なか(栄一の姉)に、キツネがついた話が取り上げられました。これは後年の栄一が、少々自慢げに語っている内容を元にして、ドラマ向けに広げたお話だと思...

『青天を衝け』第4回

NHK大河ドラマ『青天を衝け』を見て、渋沢栄一研究に長く携わる私こと坂本慎一が感想と解説を書きます。 ドラマでは渋沢栄一が、尾高惇忠から精力的に学ぶ様子が描かれました。ここが丁寧に描かれていることは大変に心強く思います。...